あなたがいたから
「ぴ、ぴよちゃん……ッ」
裏庭の茂みに隠してあった段ボールを覗くと、
右翼を怪我した雀が見つめてくる。
「可愛い……ッ」
たまたまここを掃除してたら見つけた。
猫ちゃんに襲われそうになってたから、
慌てて救出……。
「パン、持ってきたよ……食べれる?」
手の上にぴよちゃんをのせて、
口元にパンを散らす。
「ちゅ…」
か細い声を出したと同時に、
パンを次々と食べていくぴよちゃん。
「可愛いー……」
ハグハグと食べるぴよちゃんを、
目を細めて見つめる。