ちょっとCoolなメイド様!!
「ゆきな……おめでとう」
震える声を無理矢理抑えた、静かな祝福。
それは、今まで言われたどんな言葉よりも心に突き刺さる『祝福』だった……。
「……り、かっ「憧れ、だから」
私の呼びかけを遮る、不安定な李華の声。
胸が、すごく痛い。
李華だって、私よりもっと痛いはずなのに、
「……私の場合、憧れだから。傷が浅くてよかったよ」
無理して笑ってみせる李華が、すごく綺麗に見えて、
……酷く、悲しかった。
それからしばらく。
遠くで1時間目を告げるチャイムの音が響くまで、二人は何も喋らなかった。