ちょっとCoolなメイド様!!
『特別』
「俺さ……生まれた時からさ、特別じゃん。家とか、顔とか」
「だからさ、何もしなくても色んな奴が寄ってきたワケ。
全然上手くもないのに、ケンちゃんすげーって言われんの」
「俺は小さい頃何も知らなかったから、色んな人が近くにいるのが素直に嬉しかったわけ。
今考えてみりゃ、そいつらみんな親に言われて近付いて来たんだと思うけどな」
「んで、みんなの言葉信じて……俺は凄い、特別なんだ、って思った時に、すげぇ奴に会った」
「幼稚園の体育祭があって。俺は徒競走に出たんだけど
一緒に走った一人がすげぇ速くてさぁ。どんだけ頑張っても追い越せないんだ」
「俺は結局2位だった。そいつはもちろん1位だった」
「だけど、俺は親や他の人に褒められて、そいつは親に怒られてるの見たんだ。
鎌谷君にどうして勝ちを譲らなかったんだ、って」