紅
昼休み終わりの鐘が鳴ると、柳くんが「今日は届くのか?」なんて馬鹿にしたように聞いてきた。
届くよ!と少しムキになりながら言うと、柳くんはクスッと笑って、そうか。と言った。
翌日も、そのまた翌日も、柳くんはやっぱり私の隣に座る。
ただ変わったのは、少し会話をするようになったこと。
柳くんと話すと、あったかい気持ちになる。
それは、柳くん自身があったかいからなんだろうな。
一言一言が、私の心に浸透する。
魔法みたいに。