紅
彼は、とにかくモテる人だ。
彼は糸目で、目を開けてるのか開けてないのか分からないくらい細いが、本を読めるということは開けているのだろう。
いつも涼しげな顔をしていて、何を考えてるのかさっぱり分からない。
けれど、どことなく大人な雰囲気を漂わせていて、オーラみたいなものがある。
そして背がすごく高くて、スタイルもよくて、何より頭がいい。
いつもいつも学年トップの成績だとか。
そんな彼とは、会話もしたことがない。