紅
話
次の日の昼休みも、同じように図書室へ来た。
座る席は、だいたい気分で決める。
今日は、柳くんにお礼を言おう。
そう決めて、気合いを入れてきた。
柳くん、まだかな。
けど柳くんが隣に座らなかったらどうしよう。
……そんなたいしたことじゃないし、わざわさ柳くんのとこまで行ってお礼言うほどじゃないし、隣に来たらお礼を言おう。
いや、たいしたことなのかな。
そういえば柳くんって、いつも後から来るよなぁ。
なんでだろ。
まぁ、偶然だよね。