学校一のカレカノ

「返事は今じゃなくていいよ。返事がくるまで待ってるからね。」
「うん、分かった。」
「じゃあ、皆くるから・・・。」
（どうしよう。私、女の子からはチョコ貰ったり、ラブレター？貰ったりしてたけど男の子から告白だなんて・・・。）
裕雅サイド
「っきあぁぁー！矢吹せんぱ〜い、暁せんぱ〜い！」
校庭のフェンスの所から、かなりの女の子達が俺達の名前を呼んでくる。
毎日、サッカー部をみてるくらいなら入ればいいのに・・・。 「裕雅っ！」
先輩からパスが通る。そこからゴールに向かってドリブル。そして、DFが目の前に立ちふさがる。
「暁っ！」
少し先に矢吹さんの姿が見える。そして、パスをだす。
そして、矢吹さんはDFをかわしていく・・そこからのシュートｯ！
ピッー！
得点が入った。「矢吹さん、ナイスシュート！」
「サンキュー、暁くん」
「流石だよねぇ、“ゴール前の悪魔”だねぇ」“ゴール前の悪魔”ってのは、試合前と違う人格にかわり、相手のゴール前で荒いプレーをすることからつけられた異名。
「“雪の妖精”に誉められても・・・」
「“妖精”ってもっとカッコイイ異名つけてほしかったなぁ」“雪の妖精”というのは、俺の異名である。一応。
（何でそんな異名がついたんだろう・・・？でも、俺が弱々しいから、弱そうな異名がつくのかな？）
「え〜？良いじゃん。“悪魔”よりはいいよ。」
（矢吹さんって・・・カッコイイだけじゃなくて、か、かわいいよな・・・。あっ！返事しないと。）
「まぁ〜ね！」（って、ちが〜う！“妖精”なんかよりも“悪魔”のほうがカッコイイのに。）
ピッー！
練習終わりの笛がなってしまった。
「あっまた明日ね。」
「うん、じゃあ。」
（あぁ・・・今日もしっかり喋れなかった。）