神様は見ている
第一章
懺悔いたします
そこはとある町外れに教会のお話
まだ建設されたばかりの真新しい学校
その学校の近くにはとても古びた教会がありました
真新しい学校の近くにあるせいか、余計に教会の古びた感じが目立ち
一見すれば怪しい洋館の様などこか人を寄せ付けない雰囲気がありました。
そんな教会について、人間達の間ではこんな噂がありました。
おや?迷える人間が来たようです。それでは続きはまた今度にいたしましょう。
「神様、…私…私は重大な罪を犯してしまいました。」
少女は教会の奥にある大きい十字架に向かって膝をつき、涙をこぼした
少女のこぼした涙はカーペットのシミとなり、けれど染み渡っていくようだ
教会の中にはただ、少女の啜り泣く声だけが響く
『どの様な罪を犯したのか、私に聞かせて御覧なさい』
一際教会に響く声
この声は少女本人の物ではない
少女もそれに気づき涙を拭いながらその声のするほうにゆっくりと首を上げた
教会にある「その」大きな十字架からだった
少女は驚きもせずに十字架からする声に従い、自分が犯した罪を打ち明けた
「わたしは…わたしは…好きになってはいけない人を好きになってしまったんです」
少女は泣きそうになりながらも声に力を込めた
すると、またしばらくして十字架から声が聞こえた