舞い降りた天使と悪魔
(( Take1 ))
(( Side/Chika ))
髪を一つに束ねた、白い羽織りを纏っている綺麗な顔立ちの青年が、月を背中に背負っている。
「あの‥」
近付こうとしたら、ふわりと体が宙に浮いた。
私の‥だ。
落ちると思った時にはもう遅かった。
私は、その青年に手を伸ばして助けを求める事しか出来なかった。
「恐れるな」
聡明な声が鼓膜を揺らす。
次に彼を見た時は‥
真っ白で大きな翼が生えていた。