舞い降りた天使と悪魔
輝が先に、教室の前扉に手を掛けた。
首筋に汗が一筋流れている。
「開けるぞ」
その言葉と共にガラリと勢いよく扉を開けた。
途端、大きな笑い声と、黄色い歓声。
「「‥‥‥‥‥‥‥」」
私達は全員言葉を失った。
立ち尽くしてしまった。
だって‥‥‥中には‥‥‥‥
「夾くんって、何処に住んでるの!?」
「内緒」
「夾くん、部活は何か入るの?」
「どうしよっかな」
「甘いもの好き?
クッキー焼いたんだけど、食べない?」
「がち?俺、クッキー好きなんだよね」