シャープペンシル
座っていても痛む下腹部が今さっき起きたことを裏付けていて、次から次へと涙がこぼれ落ちた。

なぜ龍があんなにも怒ったのか全く理解できなくて、私の感情は行くあてもなく頭の中をさまよっている。  

しばらくして少し気持ちが落ち着いてきたところで、だんだん龍への怒りが沸々とわいてきた。

「なんで男友達と話しちゃいけないのよ!!しかも自分勝手な理由で私の大切な処女を奪うなんて許せない!!」

明日は絶対に謝ってもらおう!と決意した。

気が付くと空はもう真っ暗で、高台にあるこの公園からは最高の夜景が見えた。
ズタズタに傷ついた心が優しい明かりにつつまれて、少し元気になれた。
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