私の最低な元カレ


―コンコン―


廊下の方から、音が聞こえた。

振りかえると、扉の前に立っている……









「新里君っ」



サッカーのユニフォームを着た新里君が。



「どーも」


「あ、どうしたの…?」


「自分の教室に、タオル取りに行ったら、ココから大声が聞こえて、覗きに来たんだ」


「大声……」



大声?


しばらく考えて、ひとつだけ思い当たる節が…。



“っあー!!!ムリ!!しんどっ”


……コレか。



「ご、ごめんなさい。ちょっとしんどくて、気分転換に大声を…」


「やっぱり藤原さんだったんだ(笑)なにしてるの?」


「あー、プログラム作り。私実行委員になっちゃって…」



普通に新里君と話してるけど、


もちろん、私の頭の中は


“あぁー!!新里君にバカな大声を聞かれた……終わった”



しか無かった。



< 119 / 319 >

この作品をシェア

pagetop