私の最低な元カレ
「さようなら!さようなら!」
私は意味もなく、
さようならを連呼して
麻衣の手を引いてその場を逃げ去った。
「ちょっと夢!なに?どうしたっ?」
「ごめん!」
売店にパンを買いに来たのに、
結局なにも買わず、
私は麻衣に何度も謝りながら
教室へと戻っていった。
「夢…落ち着いた?」
背中を丸めて椅子に座る
私の猫背を、
麻衣は優しく撫でてくれた。
「うん、うん…。大丈夫だよごめんね」
「……。さっきの人となにかあったのか?」
「あぁ!思い出したくない!」
「わ、わかった。もう聞かないよ」
「いや!」
「え?」
「やっぱりちょっとだけ聞いて!」
「…あ、うん」
私は気持ちを落ち着かせて
息をたくさん吸って麻衣に言った。