私の最低な元カレ

面影



――――……


良いのだろうか?


「新里君、頑張ってね」

試合当日。


前もって、新里君には試合が始まる時間を聞いていたから、


私は試合が始まるよりも前に、サッカー場へつくようにした。



「う、うん。…ありがとう…」


そして、新里君に挨拶をする。


…けど。


新里君は明らかに引きつってる笑顔。


それはもちろん、私よりも、新里君よりも、張り切ってる唯子が、横にいるから。


「あの…藤原さん。横の子は?」


「あ、実は―…」


「唯子です!横山唯子。夢の最高の親友やらせてもらってます。いきなり私もお邪魔してすみません。どうしても試合が見たくてっ」

礼儀が良いのか、悪いのか…。



それより、自分で『最高の親友』って言っちゃうのね…。


私はすかさず、フォローをした。



「私の幼馴染みなんだっ!高校は違うけど。今日の試合の事を言ったら、行きたいって言ったので……迷惑だったかな?」


「あぁ!そうなんだ。ううんっ、迷惑じゃないよ。応援してくれる人が増えてヤル気出るしっ」



全く困った顔も、起こった顔もしないで、

新里君は笑った。





やっぱり天使!!




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