私の最低な元カレ
「なぁ、藤原。もし俺が……お前をフッた本当の理由を言えば、また――…」
え……?
「ごめんー!!電話、結構長引いちゃった!試合どう?進んでる~?」
天野君の声を遮る、唯子の大声が後ろから聞こえる。
振り向くと、走ってコッチへ向かってくる唯子。
「あ、そうだ試合…」
私は天野君と話していたせいで、全く試合を見ていなかった。
すぐに点数を見ると、1対0でコッチが勝っていた。
「ゴール決めてたんだ……」
「え?夢、見てなかったの?」
「あ、…うん。見逃しちゃった」
「えー!もったいない。私もだけどねぇ」
さっきまで開いていた場所に、唯子が座る。
―――――天野君、何を言おうとしたの?