私の最低な元カレ
「そっか、残念だな。もう帰るの?」
「うん。せっかく誘ってくれたのに、ごめんね。また明日学校でっ」
唯子に口を開かせる間も与えず、
私は唯子の腕を引っ張って、サッカー場を後にする。
さっきまで座っていたベンチへ少し、目をやった。
だけど、そこには、もう誰も座っていない。
「夢ー!どうして断ったの?なにか用事でもあるの?」
「私たち、全く関係ないのに、行くなんて場違いだよ」
「えぇ~…そりゃそうだけど…。新里君カッコよかったなぁ」
ピタリ。
と、私の足が止まる。
「ん?どうしたの、夢」
「まさか…新里君タイプ…?」
「えー?う~ん…まぁ嫌いじゃないかな♪」
唯子さん。あなたって人は…。
まぁ、新里君は良い人だし、オススメだけどさぁ。