私の最低な元カレ



私は唯子の腕を引っ張ったまま、家路を辿った。



モヤモヤする頭。

誰かに話さないと、スッキリしないモヤモヤってあるもんだ。




「ねぇ、唯子」



だから、私は唯子に聞いてもらうことにした。



「ん?なぁに?」

「私って……バカなのかな」



「えー?テストの点数悪かったの?」



いやいや、そうじゃなくて…。




「昔っからそうだよね、私。懲りない性格じゃん?」

「あぁ~!うんうん!すっごい辛い料理食べてさ、涙まで出したのに、その一週間後にまた食べるんだもん。あれはアホだよ~」


あー。

そんなこともあったっけ…?



――――じゃなくて。





「私ね」



秋の風が、私たちの間を通り抜けた。




< 151 / 319 >

この作品をシェア

pagetop