私の最低な元カレ
なんて思ってたけど!!
「滑舌(かつぜつ)しっかりしてねー。一語一句ハッキリとね」
かなりスパルタなんですけど―――……。
「ちょっと藤原さん?聞いてる?」
「あっ!すみません。聞いてますっ」
「あなたにはかなりのアナウンスしてもらうから、しっかりしてもらわなきゃね」
「はい…」
先輩の目が怖いよ~~!
なんて思ってた時、もう一人いた先輩が私に一枚の紙を渡して来た。
「無理しなくて良いからね。これ、話す内容が書いてあるから。覚えなくて良いけど、家でも練習するときに使ってね」
「ありがとうございますっ」
よかった~。
こんなほんわかしてる先輩が一人でもいて。
そして、私は貰った紙を、さっそく見てみた。
《青コース、鈴木正志さん。黄コース、瑞野春樹さん―――》
走る人の名前などが書いてあった。
そうか、これを読むのか。