私の最低な元カレ


「よ!さっきぶり」


「……」


なんで…まだいたの?

しかも“さっきぶり”ってなに。


私は大きなため息をついた。

それを見た最低男、天野一弥(あまの・いちや)は

口をとがらせる。


「なんだよ~人の顔見てため息って」


このチャラい口調。

本当むかつく!


自分で可愛いと思ってんのか、

そのとがらせた口もむかつく…。



「つかなんで俺のこと知らないフリ?」


「別に。本当に知らないから知らないって言ってるんです」


「なになに?敬語とか使っちゃってさ。あ、もしかして元カレだから?」


「…は?」


「ここでは初(うぶ)なフリでもしてんの?」


この男は…

どこまで最低なわけ…っ?




< 17 / 319 >

この作品をシェア

pagetop