私の最低な元カレ
――藤原夢side――


「あ、ああああ…あ〜…」

「夢、どうした?」


窓を開けて“あああ〜”と言っている私を見た麻衣は、明らかに不審そうな顔をした。


「そっ、そんな顔しないでよ!今日の体育祭で放送しなきゃいけないから…喉の調子を…」

「…整えれてんの?」

「さあ…」



とうとうやってきた体育祭本番。

私は“喉の調子を――”なんて言ってるけど、ただ緊張を紛らわしているだけなのかもしれない。


ていうか、放送に喉の調子とか…。
紅白の司会でもないし、

そこまで大した役じゃないんだけど。



私はポケットの中から携帯を取りだし、受信フォルダを見返した。


《また何でも言ってよー?良いアドバイスするからっ!(笑)
体育祭かぁ。今は勉強が忙しいから無理かも〜(;_;)
またどうだったか聞かせて\(^o^)/頑張ってね!》

唯子、来れないなんて残念だなぁ。
仕方ないか。

唯子は私と違って、レベルが高い高校だしね!

私も頑張ろーっと!




「夢ー!先輩が呼んでるーっ」


丁度、窓と携帯を閉めた時。クラスの女の子が私の事を呼んだ。

そして廊下を見てみると…



「き、北住先輩…」


怖い顔をした先輩がたっていた。

先輩って…メガネかけてるから、余計に怖いんだよなぁ。




「藤原さん、ちょっと」

「…はい」



< 174 / 319 >

この作品をシェア

pagetop