私の最低な元カレ
「いっちゃんの代わりのお礼だよ〜!」
「あ、そうなん…だ…」
別に。
……智隼ちゃんにお礼言われても…。
さっきまでの気合いはどこかへ、行ってしまいそうだった。
だけど私は。
次の智隼ちゃんの言葉で、完全に気合いが無くなってしまった。
「私、いっちゃんが大好きだから!へへ~」
こんな言葉で、気合いが無くなった自分は、絶対に変。
「夢ちゃんは好きじゃないってことだよね?ちょっと心配だったんだぁ。
でも本当、夢ちゃんがライバルじゃなくてよかったぁ〜!」
そう言って智隼ちゃんは、私にいきなり抱き付いてきた。
「わっ…」
そして、私の耳元で、まるで悪魔の囁きのように声を出した。
「――本当、良かったよ――」