私の最低な元カレ
「まぁそれだったら――…」
「黙って!」
天野君が勝手に
次から次へと口を開いていくから
私は大きな声を出して黙らせた。
「……なに、急に?」
目を見開いて驚く天野君に
私は冷たく低い声で話しかけた。
「天野君はたしかに私の元カレだよ」
「え…」
「だけど“元”であって“今”じゃない。それにフッたのは天野君でしょ。私、あの時のことまだ忘れられてないんだから」
「……」
「あんなフリかたしといて、数年ぶりに会ったらこの態度?やっぱり天野君って“そーいう人間”なんだね」
私がこの数年、どれだけ引きずってきたと思ってるの?
ずっとトラウマで、
そのせいで男なんて信用できなくて…
どれだけ悲しくて、どれだけ痛かったか…。
きっとこんな人間には一生わからない。