私の最低な元カレ


「赤コース、2年3組佐伯優花さん。青コース―――」

あぁ。

せっかくの体育祭なのに、なんて気分なの…。


「藤原さん」


丸まった猫背に、優しい声がかかる。

その声に顔をあげると――


「…新里君…」


いつものように笑ってる、新里君だった。


「藤原さん、放送頑張ってるじゃん」


「え、あぁうん…ははは」


頑張ってるって言っても…頭の中は真っ白なんだけど。


どうして真っ白なんだろう?



「本当、藤原さんは“一生懸命”だね!」


「新里君…」


一生懸命。





「ありがとうっ!」



そうだよね!

私の長所は、懲りないとこと、一生懸命なとこだもん!


なに気合い無くしてんだか…。



あんなことで、バカみたい――…



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