私の最低な元カレ
どうして新里君が…?
「ち、違うよ?絆創膏(ばんそうこう)を貰いに…行くのっ」
私は新里君に初めての嘘をついた。
だって、言えるわけないじゃん。
新里君は、天野君の友達なわけだし…。
それに、口に出して言うのって、恥ずかしさが増すっていうか。
「じゃあ…」
「嘘だ」
さりげなく、その場を去ろうとしたのに…。
強く私の腕を握る、新里君の手。
「一弥に会いに行くんだろ?」
いつも、優しい口調の新里君が、すごく“男”になっていた。
「……」
「その前に、聞いてほしい事があるんだ」
「……え?」