私の最低な元カレ


「…なんでアンパン?」


麻衣にアンパンを渡すと

やっぱり麻衣は不機嫌な顔をする。


そりゃそうだよね。


「…ごめん。焼きそばパン売れてた…」

「ちょっと…なんでそんなにテンション低いの?私がガチで怒ってるみたいじゃん」

「…ごめんね」

「はぁー…別に甘いもん食べたい気分だったから良いけど!」


投げやりにそう言った麻衣は

私からアンパンを取って

ガツガツ食べる。


麻衣は本当優しいなぁ…。


「なに突っ立ってるの?はやく食べなよ。授業始まっちゃうよ」

「うん」


麻衣の席に自分の椅子を持っていって

同じようにアンパンを無理やり頬張った。



「無理して食べなくても良いけどさ…」


なかなかアンパンを口に運ばない私の頭を

寄せて優しく撫でてくれた麻衣。



本当に、麻衣が友達でよかったって実感した。


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