私の最低な元カレ


「…なにしてるの」



あの時とは違う声の智隼ちゃん。

こんなにも、人間って声が変わるんだって驚いた。




「保健室に、なにか用?」

「別に…」



智隼ちゃんにも涙は見られたくなくて、私は涙を汗を拭くように、体操服の肩で拭った。



「智隼ちゃんこそ、保健室に何の用?」



聞きたくないようで、聞いてしまった。



「いっちゃんの看病。いっちゃんの恋人だから」




――え?



< 210 / 319 >

この作品をシェア

pagetop