私の最低な元カレ


「その麻衣ちゃんって子は、だ〜いすきなんだね」



え?

だ〜いすきなんだね…って
誰のことを?

アホ丸出しな顔で唯子を見つめていると

唯子は大きく溜め息をついた。



「はぁー……夢しかいないじゃ〜ん」


「わっ、私!?」


「麻衣ちゃんは夢の事が好きだから、隠し事とかされたくないんだよ。…どうせ麻衣ちゃんの前で“不”のオーラでも出してたんでしょ?」



うっ……

たしかに。
溜め息ついたりしてたなあ…。


で、でも元々は天野君が原因で…!!

……て、言い訳にしかならないか。



「ごめんなさい…。」


「やっぱりねえ。麻衣ちゃん可哀想だよ」


「…………」


「夢の友達なのに、夢が溜め息をついてる理由がわからない。…………そんなの私だって嫌になるし不安にもなるよ。きっと麻衣ちゃんもそうだったから、夢に言ったんじゃない?」



……そっか。


そりゃ……そうだよね。


私だって、唯子や麻衣に隠し事されてたら嫌だし、溜め息ついてたら

理由を知りたいし、助けてあげたいって思うもん…。


< 223 / 319 >

この作品をシェア

pagetop