私の最低な元カレ
「愛子?誰、そん子」
奥の席に座っていた、
目が真っ黒の女の子が、私の手を握る女の子に声をかける。
「藤原夢じゃがね?」
目をクリクリさせながら、私に尋ねる女の子。
「っ!?え、あっはい」
フルネーム!!?
なんで私のフルネームを…っ!!
驚きと怖さで、目が飛びでそうなくらい。
私、この人たちで喋ったことないよね…っ?
「藤原夢って、あん?」
「そんげだよ!!」
「すげえ!!!」
店内に響く、ギャルのなまり声。
な、なにこの展開…。
私、有名人だったっけ?