私の最低な元カレ
確認
「あっ」
そーっとやってきた私たちに気づいた麻衣が椅子から立ち上がって一目散に私のところへ来た。
「もう!なにしてたのよ!」
小声で私に怒りをぶつける麻衣。
「ごめんなさい…」
本当、その言葉しか思いつかないです…。
「ったく~…。まあ…許してあげるけど…」
麻衣はちらちらと天野君のほうを見る。
どうやらなんとなく把握してくれてるみたい…。
「一弥。なにしてんだよ」
聞いたこともない低い声を出す新里君はきっと怒っている。
そりゃそうだよね…
なんにも言わずに飛び出して待たせたんだもん…。
「急に藤原さんを連れ出すなんて…」
「新里君っ、あの、その…ごめんね。私は大丈夫」
「藤原さん…」
新里君は何も知らない。
私と天野くんがお互いを受け止めたことを――…。