私の最低な元カレ


「今日はもう帰ろっか」


気まずい空気になることを察した麻衣が気を使って話を切り出した。



「そうだな。勉強会はまたしよう」


新里君も納得して帰る支度を始める。

それにつられて私と天野くんも荷物をまとめた。



「ごめん、俺がガキだったから」


ぼそりと謝る天野くんに新里君は一度だけ見るとまたすぐに片づけを再開する。


新里君…かなり怒ってる…。



「天野も謝るんだ~。そういうことできないと思ってた」


少しバカにしたように麻衣がケラケラ笑う。



「はー?俺だって謝れるわ」


「いつもヘラヘラしてるイメージだったから、こういう空気になっても茶化して終わりだと思うじゃん」


「どんな偏見だよ。俺ヘラヘラしてねーし」


「してたじゃん!へらへらへらへら」



麻衣と天野君のおかしな言い合いが始まって思わず笑みがこぼれる。


「ゴホンッ」


すると近くから咳ばらいが。


そうだ、ここは図書館。静かにしないとね…。



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