私の最低な元カレ
外の空気を吸うと、
だんだん気持ちも落ち着いてきて
気持ち悪さも引いてきた。
「ふぅ…」
大きくふくらんだお腹を
何度も撫でる。
やっぱり食べすぎたかな。
その場の空気で毎回食べすぎちゃうんだよね。
絶対体重増えてるわ…。
食べ過ぎたことに色々後悔しながら
足を進めていた時…
フワッと
懐かしい香りが鼻をかすめた。
「…ん…」
目を閉じて、もう一度確認する。
あぁ…
せっけんの良い香り。…香水かな…。
そこでハッと目を開く。
「この匂い…」
さっきすれ違った人から匂った。
私は振りかえってすれ違った人を見る。
だけど…
「なぁんだ。気のせいかぁ?」
気のせいなのか、誰もいなかった。