私の最低な元カレ
始まりの音
―カランカランコロンッ…
ガラスのコップに入った氷がストローに回されて、良い音を出す。
「…ズズズッ…」
「ていうかめっちゃ探し回ったんだよー」
「…ズー…」
「もう必死になって!それでさ、諦めかけたんだけど最後の店で見つけて!」
「ズゥー…」
「…って聞いてる?」
なんで私は今、ファミレスでわざわざ、天野君のくだらない話を聞いてるんだろう。
理由はただ一つか。
“お礼”だもんねー…。
「ゴメン。ジュース無くなったからおかわりしてくる」
「お?おぉー」
あぁ…
これはお礼と呼べるものなんでしょうか?
ただの天野君の暇つぶしに付き合ってるだけじゃ――…