私の最低な元カレ
昔を思い出す。
一度だけだったけど、俺には濃くて、最高の時間だったから…
今でもハッキリ覚えてる。
きっと夢は忘れてるだろうけど…。
『な、なに見てるの?私の顔に何か…ついてるっ?』
ジッと俺に見つめられていた夢は
少し恥ずかしそうに、慌てる。
『ううん。何もついてない』
その時、俺は素直に可愛いなって思った。
だから、イチゴアイスを頬張る夢の頭を、優しく撫でた。
『え…!?あ、天野君…!?』
『…イチゴアイス、おいしい?』
『……う、うん。おいしいよ』
『ちょーだい?』
『わ、私の!?』
『うん。夢のが欲しい』
『いいよ…』
そう言って俺の口に自分のイチゴアイスを入れてきた夢。