桜唄
ユリがさっきの号泣ぶりを忘れそうになるぐらい笑顔で

宇多田ヒカルの『Can You Keep A Secret?』を歌う。

ユリは宇多田の新曲覚えたぁ~!と笑顔で予約していた。

ユリとアユミとは中学でできた友達だったけど、

幼馴染のように仲が良かった。

2人と初めてカラオケに行ったのは、

中学1年の12月25日。

本当は3人で24日に行こうって言ってたけど、

皆忙しくて25日に行った事をいまだに覚えてる。

その時もユリは宇多田ヒカルの歌を歌ってた。

その時は、『Automatic』。

ユリはいつも宇多田ヒカルの新曲を歌ってくれる。

アタシか、アユミがいろんな事で落ち込んだ時も

宇多田ヒカルの歌を歌って、励ましてくれる。

だから、いつのまにか宇多田ヒカルの歌は中学3年間の思い出の曲になっていた。

アタシはユリに歌ってもらう『First Love』が大好きだった。

ユリに、もう歌を歌ってもらう事はもうないのかな・・・?

って思うと無性に寂しくなった。

「ユリ!First Love歌ってよ。」

「うん!」

First Loveは卒業とは全然関係無い歌だけど、

アタシだけの卒業ソングにした。

First Loveを聴くと、この日に戻れるような気がするから。
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