左薬指にシルバーリングを




汗だくで開けた病室の扉。


そこには、暗い表情の医師と、
ハンカチを目に当てる彼女の両親、
それから、高い機械音と、いつもの真っ白なベッドに身を包む、青白い顔の彼女の姿。



「……」




俺は言葉を失った。


いつも来ていた彼女の病室は、まるで別世界のようだったから。





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