左薬指にシルバーリングを





──そして、本当にあの言葉が最後の言葉となったんだ。



泣き崩れる両親と、
一定の機械音。


そして、冷たくなった君の腕。



──死んだのだ。


愛しい愛しい俺のお姫様は、
もう笑ってはくれない。



キラリと光る結婚指輪を左薬指に輝かせたまま。


彼女は逝ってしまった。






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