左薬指にシルバーリングを





俺は冷たくなった彼女のおでこを撫でる。



「……おやすみなさい」



そして、彼女の唇に自分の唇を重ねた。


最後のキス。


瞳を閉じた瞬間、
大粒の涙が彼女の頬に落ちる。



唇から感じない。
君の体温。


唇を離しても
君は瞳を開かない。






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