左薬指にシルバーリングを




──ガラララッ


駆け付けた病院に
君の名前が書かれた病室のドアをノックもせずに開けた。



「……あれ、れ?…はや…かった、ね…」


「なんでっ!?」



真っ白なベッドの上で
青白い顔をした笑顔の君がいた。



「あたしね…」


そして、目を細めて俺に見せたこともない柔らかい笑顔で言ったんだ。






「病気…なん、だ」






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