***
「いてっ」
隣でクラス表を見ていた人にぶつかってしまった。
「あ、ごめんなさい!!」
私は慌てて謝り、隣の人を見上げる。
「…いいよ、ひなこちゃん」
その人は、ふっと笑うと生徒玄関の方へ歩いていった。
…え。
私の名前知ってた…?
ぽけーっとしていると、横から結衣につつかれた。
「ひなこ、あの人、大澤くんだよ!!知り合いだったの?」
「…大澤くん?」
「そうだよ!うちらの学年で1番かっこいいって噂の!ひなこ知り合いだったんだね〜」
「え?知らないよ!」
「へ??でもさっき、名前で呼ばれてたじゃん……
あ、それとも、ひなこ狙われてるんじゃない?
いいよね〜可愛い子は」
結衣は私のほっぺをつねりながら言う。
……狙われてるわけないじゃん!!
凡人の私が。