***



教室に着くと、黒板に貼ってある座席表を見て席に着く。




結衣とは名簿が遠いから、席が離れてしまってちょっと不安…



「田原さん」



突然、後ろの席の人に声をかけられた。



驚いて振り返ると、見たことのある顔。



確か、サッカー部で隣のクラスだった…



「つ、つー…」



何だっけ??



「津田」



今度は突然隣から声が聞こえてきて、驚いて顔を向けると、そこには大澤くんが立っていた。



「そいつ、津田っていうんだよ」



何故か、大澤くんが教えてくれる。



「慶太ー、今田原さんに話しかけてんのは俺!」



津田くんがむくれながら言う。その顔が可愛くて私は微笑んだ。



それにしても、この2人、知り合いなのかな?



私が2人の顔を見比べていると、私の疑問を悟ったのか、津田くんが言った。



「あぁ、俺ら、親友なんだよ。1年の時同じクラスで仲良くなったんだ。まさか2年でも同じクラスになれるとは思ってなかった」



「えっ!!大澤くんもこのクラスなの!?」



私はびっくりして大声を出した。



「…そうだよ。じゃあ俺なんで今ここにいんだよ」



大澤くんは爽やかに笑ながら言う。



「いや、てっきり遊びに来たのかと思ってた。」



私がそういうと、大澤くんは更に笑った。



「新学期早々、他のクラスに遊びに行くほど寂しいやつじゃないよ」



くくくっておかしそうに笑う大澤くんがかっこよくて、私はドキドキしていた。


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