愛たい
十八話 繋いだ手
初めて女子と手を繋いだ。
佐藤の手は思いの他、柔らかくて小さくて…
壊れてしまいそうだった。
だから、優しく優しくその手が壊れないように握った。
俺の隣をちょこちょこ歩く佐藤は少し顔を赤く染めていた。
「…初キスは、あの時、投げやりで終わらしちゃったけど、…女子と手繋いだの、佐藤が初めてだから…」
そう俺が小さな声で佐藤に言うと佐藤は顔をあげ目を大きく見開いた。
…え?俺、変なこと言ったっけ。
と思い返しながら佐藤を見つめると佐藤は何が面白いのか目を三日月にして笑った。
『…じゃあ私が初めての彼女?』
と幸せそうに笑う佐藤。
俺は、そんな佐藤を最高に可愛いと思い顔を下に背けた。