愛たい

『…そっかあ。何か意外っ』

と今度は無邪気に笑う佐藤。

「何が?」

と尋ねれば佐藤は俺の手をより強く握った。

『…ハル君ってモテるから』

思いもよらない佐藤の言葉に首を傾げると佐藤はまた無邪気に笑う。

『ハル君、自分では自覚してないみたいだけど凄いモテるんだよ。うちのクラスの女子ほとんどがハル君のことカッコイイって言ってるし』

その言葉に、

「嘘だ」

と笑うと佐藤は俺の目を見て、

『本当だよ。いつも笑顔で優しいハル君を私も気づいたら好きになってた。…けど、私なんかが近づいちゃいけない、そんな気がして』

と切なく呟いた。

そして再び佐藤は俯いてしまった。

そんな佐藤の横顔を綺麗だった。

< 103 / 165 >

この作品をシェア

pagetop