愛たい

屋上まで連れて行った俺の手を陸は激しく振りほどく。

そして屋上を見渡して俺を睨み付けた。

「何だよっ」

少し苛立ってる陸に俺は少し微笑んだ。

「まあ、そんな怖い顔すんなって!」

と俺らしく振る舞い陸の肩を叩けば強く叩かれた。

さすがに真面目にしなきゃ不味いな、そう思い俺は陸を真っ直ぐ見た。

屋上の景色が俺の背中を押す。


「…俺さ、彼女出来たから」

二人にとって予想も出来なかっただろう言葉に二人は目を見開いてただ俺を見つめた。

そんな二人に俺は再び少し微笑む。

「結衣のことは、もう吹っ切れたから…」

そう言い視線を結衣に向ける。

陸が無意識に、

「は?」

と言葉を吐いた。

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