愛たい
休み時間になり笑顔で結衣が俺達に近づいた。
そのことに俺は、何だか嬉しかった。
嬉しかった…。
一度失った大切な物が、再び戻ってきたことが。
やっぱり俺の決断は間違ってなかったんだ。
『ハルの好きな子って誰!?』
と明るく聞いてくる結衣に少し胸が傷むから、まだ結衣が好きなんだと思い知らされる。
けど心の中にその気持ちを押し込めた。
「結衣より優しい子♪」
と呑気に答えれば結衣は眉間に皺を寄せて、
『何それー』
と不満そうにいう。
それを見て陸が笑う。
当たり前だった光景。
一度失って戻ってきた日々に何だか泣ける。