愛たい
…………………。
山ちゃんが居なくなり静かになった廊下にポタポタと滴が落ちる音が鳴り響く。
…どうやって入ったら良いんだよ、あの教室に。
陸も居るし、結衣も居るし。
何たって今は確か公民の時間だから生徒指導のハゲ山(本名、浜山)が教室に居るはずだ。
俺は、
「はあーー」
と深い溜め息を漏らした。
皆の前で怒られるならサボって後で怒られるほうが、マシだ。
そう思い俺は屋上に続く階段を上った。
そう長くはない階段を昇りきり、屋上と階段を分ける扉を開けた。
扉を開けると別世界のような景色が俺の目に飛び込んできた。
…屋上ってこんなに景色良かったけ。
普段から通ってた屋上も、まるで別の場所のような思える。