愛たい
さりげなく横目で深帆を見ると凄い嬉しそうに笑っていた。
生まれたてのように小さくて弱々しいチワワは深帆の腕に納まる。
『可愛い〜!』
俺も思わずチワワを見て笑ってしまった。
目を潤ませて俺を見るチワワを撫でた。
途端、深帆は店員にチワワを返し早々と歩きだした。
ようやく店の外で深帆の腕を掴むと振り返った深帆は少し拗ねていた。
突然の深帆の感情に驚くと深帆は前を向き俯いてしまった。
『…ハル、チワワのことばっか見てるんだもん』
これって焼きもちってやつ?
そう思うと笑えると共に嬉しさが込み上げる。
また、俺は気づいたら深帆を抱き締めていた。