愛たい


俺はなるべく日陰で涼しいところを探し腰かけた。

日陰でもアスファルトの熱が制服を通り肌に感じた。

何だか、涙が出そうになった。

悲しいからじゃない。

そうだ、きっと…、
きっと…、

アスファルトがあまりにも暑いからビックリしたんだよな、俺。

なんて、苦しい言い訳をしなくても言い訳をする必要のない言い訳を心の中で呟いた。


「っ、」

アスファルトは雨が降った時のように俺の涙で丸く跡をつけた。

「かっ、こ悪っ…」

カッコ悪い。

涙を流す俺も。

無理に笑う俺も。

鼻に水をつまらせる俺も。

暑さに弱い俺も。

訳和からない俺も。

ムカついてる俺も。


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