愛たい
「そう、彼女」
それだけ良いのに凄い勇気が要った。
その後も結衣に色々なことを聞かれたけど答えたくなかったし答える気力も無かった。
何で、そんなに気になるの?
俺に、しつこく聞いてくる結衣はいつもの結衣では無かった。
何か、意地になってるような。
いつも人の気持ちを誰よりも早く察知出来て空気が読めるのに。
『ねえ、どうなの?』
と腕を揺する結衣に思わず、
「結衣には関係ないだろ」
と冷たく突き放してしまった。
さすがにキツく言い過ぎたそう思い結衣を見ると少し悲しそうな顔で笑い、
『そうだよね、何かごめんねっ』
とだけ言い駆け足で教室に入ってしまった。
俺はどうしたら良いのか分からず、ゆっくり教室に入った。
途端、クラスの男子が俺を囲むように集まってきた。
「何だよ!」
と驚く俺にクラスの男子は興奮したように、
『お前、彼女居るのかよ!』
と口を揃え聞いてくる。