愛たい



授業が終わり、深帆に、

〔今日、一緒に帰れる?〕
とメールすると一分もしないうちに絵文字無しで、
〔うん〕
と返信が来た。

〔じゃあ、門で待ってる〕
と送り早々と門へ向かう。



俺は門に寄っ掛かり深帆から来たメールを見ていた。

〔うん〕
と絵文字無しで来たメール。

そのメールは深帆の色々な思いが詰まっているような気がした。



前から足音がし顔を上げると深帆が居た。

「じゃあ、帰るか」
と言い深帆に手を差し伸べると何も言わないで俺の手を握らず速歩きで歩き始めた。


そんな深帆の手を握り歩きを止めた。

驚いて振り向く深帆に、
「話し合おう」
と言い近くの公園まで引っ張った。



誰も居ない公園に入りブランコに腰かけた。
そんな俺をただ黙って見つめる深帆に、
「座ったら?」
と言うと遠慮がちに俺の隣に腰掛けた。

< 135 / 165 >

この作品をシェア

pagetop