愛たい
門に行くと深帆が笑顔で、
『帰ろ!』
と歩き出した。
深帆の笑顔を見て、やっと深帆の顔を思いだした。
俺は深帆に手を差し伸べず歩き出した。
『ねえ、ハル。今日、暇?』
と聞かれたので頷くと深帆は俺の手を繋ぎ、
『私の家に来ない?勉強会とかしようよ』
と言われたので頷いた。
俺は一回、家に帰らずに直接深帆の家に行くことにした。
早速勉強を黙々とやる深帆に対し俺は教科書も広げずにボーっとしていた。
そんな俺を不思議そうに思ったのか深帆は、
『やらないの?』
と聞き手の動きを止めた。
何も答えずボーっとしている俺の顔を覗き込み、
『何かあった?』
と心配する深帆の頭を掴み、
キスをした。